食塩水を混ぜて入れ替える場合

Aにはa%の食塩水120g入っている。
Bにはb%の食塩水120g入っている。
このとき,次の操作をするとき問に答えよ。
 

Aから40g取り去りそれに水40gを入れてよくかき混ぜるとき
(1)n
回の操作でAは何%の食塩水となるか。
(2)n
回の操作でAから取り去った食塩水をためておいたら何%の食塩水となっているか。

Aから40gとりBに入れよくかき混ぜてからBから40gとりAに入れよくかき混ぜる。
(3)n
回の操作でAは何%の食塩水となるか。ただしabとする。

(1)1回の操作で、濃度が2/3になるので、n回の操作で、(2/3)^nになる。
a%×(2/3)^n=a(2/3)^n

(2)
a(2/3)^n
%がAの濃度だから、
これに溶けている食塩の量は、
120g
×a(2/3)^n
=1.2a(2/3)^ng
・・・①
ためておいた方の食塩の量は、はじめにあった、1.2agから①を引いた量。
1.2ag-1.2a(2/3)^ng
=1.2a{(1-(2/3)^n}g
ためておいた食塩水の重さは40ngなので,濃度は,
1.2a{(1-(2/3)^n}g/40ng
×100%
=3a{(1-(2/3)^n}/n%


(3)n
回の操作後のAの食塩の量をa[n]とする。

a[n+1]は、a[n]2/3と、a[n]1/31/4b[n]1/4だから、

a[n+1]=(80/120)a[n]+(1/4){(40/120)a[n]+(120/120)b[n])}
=(90/120)a[0]+(30/120)b[0]
=(3/4) a[n]+(1/4)b[n]
・・・①

食塩の重さの和は、一定なので、
b[n+1]=(1/4)a[n]+(3/4)b[n]・・・②


まとめて、

a[n]=(3/4)a[n-1]+(1/4)b[n-1]・・・①
b[n]=(1/4)a[n-1]+(3/4)b[n-1]
・・・②


①と②をたすと、
a[n]+b[n]=a[n-1]+b[n-1]=
・・・=a[0]+b[0]


①から②をひくと、
a[n]-b[n]=(1/2)(a[n-1]-b[n-1])=(a[0]-b[0])(1/2)^n


並べて書くと、
a[n]+b[n]=a[0]+b[0]
a[n]-b[n]=(a[0]-b[0])(1/2)^n


たすと、
2a[n]=(a[0]+b[0])+(a[0]-b[0])(1/2)^n
a[n]=(a[0]+b[0])/2+(a[0]-b[0])(1/2)^(n+1)


,a[n],a[0],b[0]は、いずれも120gの食塩水中の食塩の重さだから、
それぞれの濃度A[n],a,bを%で表すと、
A[n]=a[n](100/120),a=(100/120) a[0],b=(100/120)b[0]

これで、式を書き換えると、
A[n]=(a+b)/2+(a-b)(1/2)^(n+1)

【おまけ】
B[n]=(a+b)/2-(a-b)(1/2)^(n+1)

例えば、a=4%,b=8%とすると、
A[n]は、平均濃度(a+b)/2=6%に薄い方から

5,5.5,5.75,5.875,…と近づき、
B[n]
は、濃い方から

7,6.5,6.25,6.125,…と同じように近づきます。
濃度の和は、いつも一定で、12%になっています。


今回は、食塩水の量が同じなので、食塩の重さで式を立てても、濃度で式を立てても、同じように表現できましたが、食塩水の量が違う場合は、食塩の重さで式を作った方が楽です。