もっと効率のよい計算をすることができるようになった。

3%の食塩水A 500gと8%の食塩水B 500gがある。まず、食塩水Aからある量を取り出し、食塩水Bに入れる。これをよくかき混ぜた後、先ほど取り出した量と同じ量を食塩水Bから取り出し、食塩水Aに入れてよくかき混ぜると、
その食塩水は5%になった。
(1) 取り出した量は?
(2) この操作をもう一度繰り返したとすると、食塩水A、Bの濃度が何%?

(1)
食塩の総量は一定だから、
3+8-5=6
食塩水Bは6%になっている。

「3%Agと、8%500g」とで、「6%(A+500)g」になった。
「」内の食塩の重さは等しいから、
Ag×3%+500g×8%=(A+500)g×6%
A×3+500×8=(A+500)×6
3A+500×8=6A+500×6
500×2=3A
1000/3=A
1000/3(g)

(2)
【直感的に】
「5.5%に向かって、左右から同じように」
近づいて行くのです。
差は、
±2.5%
±0.5%
±0.1%

と1/5になって行きます。

3+8
=(5.5-2.5)+(5.5+2.5)
=5+6
=(5.5-0.5)+(5.5+0.5)
=5.4+5.6
=(5.5-0.1)+(5.5+0.1)
Aは、5.4%。Bは、5.6%。

A[n]=(3+8)/2-(8-3)/2×(1/5)^n
B[n]=(3+8)/2+(8-3)/2×(1/5)^n

平たく書くと、
A[n]=5.5-2.5×(1/5)^n
B[n]=5.5+2.5×(1/5)^n
です。
A[2]=5.5-2.5×(1/5)^2=5.5-0.1=5.4(%)
B[2]=5.5+2.5×(1/5)^2=5.5+0.1=5.6(%)

【ここから解答】
500gの2/3が移動するので、

(3+3+3)+(8+8+8)
=(3)+(3+3+8+8+8)
=(3)+(30)
=(3)+(6+6+6+6+6)
=(3+6+6)+(6+6+6)
=(15)+(6+6+6)
=(5+5+5)+(6+6+6)
=(5)+(5+5+6+6+6)
=(5)+(28)
=(5)+(5.6+5.6+5.6+5.6+5.6)
=(5+5.6+5.6)+(5.6+5.6+5.6)
=(16.2)+(5.6+5.6+5.6)
=(5.4+5.4+5.4)+(5.6+5.6+5.6)

ちゃんと計算すると、
食塩水Bは、以下の濃度になる。
1000/3g×5%+500g×6%=(1000/3+500)g×B%
1000/3×5+500×6=(1000/3+500)×B
1000×5+1500×6=(1000+1500)×B
2×5+3×6=(2+3)B
28=5B
5.6=B
A=11-B=5.4
Aは5.4%,Bは5.6%

【おまけだけど、新しい発見】
さらに、
A→B→Aの操作を終えて、
Aが5%になっている状態を方程式に表すと、
(1)
(500g×3%)+(500g×8%)
=(500-A)g×3%+(Ag×3%+500g×8%)
この時、食塩水Bは、(A+500)gになっている。
このうちのAgを食塩水Aに戻すから、
それぞれの濃度の食塩水を
それぞれの重さのA/(A+500)倍が移ることになる。

食塩水Aは、
A^2/(A+500)g×3%+500A/(A+500)g×8%
の食塩が戻ってくる。
だから、食塩水Aの食塩の重さは、

(500-A)g×3%+A^2/(A+500)g×3%+500A/(A+500)g×8%
で、これは、500g×5%に等しい。

(500-A)g×3%+A^2/(A+500)g×3%
+500A/(A+500)g×8%
=500g×5%

式を(A+500)倍して、
(500-A)(A+500)g×3%+A^2g×3%
+500Ag×8%
=500(A+500)g×5%

500^2g×3%+500Ag×8%=500(A+500)g×5%

式を500でわって、
500g×3%+Ag×8%=(A+500)g×5%

上の式は、本来の問題の操作の手順の逆、
B→A→BのうちのB→Aの操作である。

以上の計算から、もっと効率のよい計算をすることができるようになった。