B=200と分かっているのに、どうして、Bと文字で書くのか?
【問題】
8%の食塩水がある。ここに3%の食塩水200gを混ぜると6%の食塩水になった。はじめの食塩水は何gあったか。
【回答】
8A+3B=6(A+B)…①
B=200
上の式を簡単にして、
8A+3B=6A+6B
2A=3B…②
B=200だから、
2A=3×200
A=300
300g
【解説】
B=200と分かっているのに、どうして、Bと文字で書くのか?
①と置き、簡単にすると、②のような大変短い関係式ができます。
②のBに200を1つだけ代入するので、計算が楽です。
多くの場合、残念ですが…。
問
A:7%,800g B:5%,1200gから同じ量の食塩水を交換して、等しい濃度にする。(1)300gの交換ではBは何%になるか?(2)等しい濃度にするには、何gを交換すればよいか?
回答
(1) 7%を300gと、5%を900gとを混ぜるので、
7%と5%を1:3の割合で混ぜるから、
(7+5+5+5)/4=5.5(%)
(2) 等しい濃度は、 7%と5%を2:3の割合で混ぜるから、 (7+7+5+5+5)/5=5.8(%) である。
さて、Bの濃度は、Aを300g混ぜることで、5%から5.5%まで、0.5%高くなった。
0.8%高くするには、8/5倍の 300g×(8/5)=480g の交換が必要。(終わり)
この回答は、あまり書かれていないと思います。
私が気が付いたきっかけは、高校生向けの漸化式を用いたn回交換した時の各濃度がどのように平均濃度に近づいているかを観察したことです。
濃い方からも薄い方からも、同じ割合で、平均濃度に近づいていくことが、
n回目の濃度=平均濃度+(初めの濃度ー平均濃度)×(有理数b/a)^n
この式に、その様子が表れていますね。
簡単に書くと、
「混ぜた量の、必要量に対する割合は、実際に近づいた濃度の、近づけたい濃度に対する割合に等しい」ということです。
今回の例では、
300g:□g=0.5%:0.8%=(5.5%-5%):(5.8%-5%)
ということです。
まともに書くと、大変な手間がかかりますが、冷凍食品やレトルト食品は、手間が何十分の1で済むように、この式を使うと、数秒で済みます。
もちろん、(1)の結果を使わなければ、
積/和 (800×1200)/(800+1200)
=800×1200/2000
=4×120
=480
で終わりです。
800×(3/5)=1200×(2/5)と同じ式です。
理由は、多くの小学生には理解できないと思うので、書きません。 天秤算と同様に、ブラックボックス(理由は分からないが使えば求められる)でいいと思います。中3の二次方程式の解の公式のようなものです。 分かる人には教えてよいと思いますが、分からない人には分からない、という厳しい力の限界がありますからね。
私も、微分方程式を使うような食塩水の問題はできませんが、小中程度の食塩水の問題でしたら、ほぼ理解しています。
みんなで、小中学生の頭をほぐして、柔軟にしましょう。
多くの場合、頭の良い人は、体制側に付いてしまい、残念ですが…。
■
【問】
3%の食塩水80gを沸騰させ20gの水を蒸発させた。これに7%の食塩水を加えて5%の食塩水を作りたい。5%の食塩水は何gできるか。
【解答】
80g×3%=60g×4%だから、
3%の食塩水80gを沸騰させ20gの水を蒸発させると、
4%の食塩水60gになる。
4%に7%を加えて5%を作るから、
4A+7B=5(A+B)…①
A=60…②
①を簡単にして、
2B=A
B=0.5A=30
今、A+Bを求めたいから、
A+B=60+30=90(g)
食塩水の問題ではないけれど、理解が深まった問題
兄と弟の所持金の比は、8:5でしたが、2人とも490円を使ったので
2人の比は、3:1となりました。最初の兄の所持金は、いくらでしたか。
これを小学生の算数で解けという問題。
ss2さんが素晴らしく解いていた。
8:5=16:10
3:1=9:3
として、
3:1
=3×3:1×3
=9:3
=(8×2-7):(5×2-7)
ここまでの関係式の発想がエレガントだなあ。
=70(16-7):70(10-7)
=(1120-490):(700-490)
1120円
中学生なら、
(8A-490):(5A-490)=3:1とかするんだろうな。
すると、
3(5A-490)=8A-490
15A-490×3=8A-490
7A=490×2
A=70×2
8A=70×2×8
8A=1120
中学生の解より、小学生の解の方がエレガントだな。
【2021年3月の私の回答】
2人とも490円を使ったので、2人の所持金の差額は等しい。
ところで、
8:5=16:10
3:1=9:3=(16-7):(10-7)
とすると、
16円,10円だった所持金は、7円使うことで、9円,3円になるから、
これを70倍して、
1120円,700円だった所持金は、490円使うことで、630円,210円になり、
兄の所持金は、1120円。
理解が進んだ問題
{8(1-p)+0p}(1-p)+0p=4.5
8(1-p)(1-p)=4.5
(1-p)^2=9/16
1-p=3/4
p=1/4
p=x/100=1/4
【普通に解くと】
(100-x)g×[{(100-x)g×12%+xg×4%}/100g]+xg×4%=100g×8.5%
あとは、高々計算。
(100-x){12(100-x)+4x}/100]+4x=850
(100-x){12(100-x)+4x}+400x=85000
12(100-x)^2+4(100-x)x+400x=85000
3(100-x)^2+(100-x)x+100x=21250
30000-600x+3x^2+100x-x^2+100x=21250
2x^2-400x=-8750
x^2-200x+4375=0
(x-25)(x-175)=0
x<100だから、
x=25
(12+12+12+4)/4=10
(10+10+10+4)/4=8.5
ということでした。
(1-p):pで2回混ぜるから、
【濃度は%表示で、割合を使うと楽です】
x/100=pとして、
{12(1-p)+4p}(1-p)+4p=8.5
あとは高々計算。
12(1-p)^2+4p(1-p)+4p=8.5
24(1-p)^2+8p(1-p)+8p=17
24(1-2p+p^2)+8p-8p^2+8p=17
24-48p+24p^2+8p-8p^2+8p=17
16p^2-32p+7=0
(4p-1)(4p-7)=0
p<1だから、
p=1/4
次からは、
8.5/12
4.5/8
9/16
3/4
1/4
25
と頭に浮かぶようになるかな。
3%の食塩水360gに何gの食塩を加えると、10%の食塩水になるか。
360g×(100%ー3%)=□g×(100%-10%)
□g
=360g×(100%ー3%)÷(100%-10%)
=360g×97%/90%
=360g×97/90
=4g×97
=4g×(90+7)
=360g+28g
この増えた28gが加えた食塩の重さ。
小学生にはお勧めの解き方です。
360g×(100%ー3%)=□g×(100%-10%)
360g:□g=90:97
ほとんど計算しなくて済むからエレガントでしょう?
慣れると暗算でできる。
どんな発想で解いても、
360g×(100%ー3%)÷(100%-10%)
と同じ計算をすることになる。
3.3%の食塩水をいくらか作って420ml取り出し、
3.3%の食塩水をいくらか作って420ml取り出し、
残った食塩水にいくらか水を足して2.3%の食塩水にして140ml取り出し、
残った食塩水にいくらか水を足して1%の濃度の食塩水を240ml作った。
最初の食塩水の量、途中で足す水の量は、いくらか。
240 g×1.0%+140g×2.3%+420g×3.3%
=【2400/10g×1.0%】+140g×2.3%+420g×3.3%
=【2400/23g×2.3%】+140g×2.3%+420g×3.3%
=(2400/23+140) g×2.3%+420g×3.3%
=(2400/23+3220/23) g×2.3%+420g×3.3%
=【5620/23g×2.3%】 +420g×3.3%
=【5620/33g×3.3%】 +420g×3.3%
=(5620/33+420) g×3.3%
=(5620/33+13860/33) g×3.3%
=19480/33 g×3.3%
19480/33g=590.30…g。
5620/23g-5620/33g
=5620g×(1/23-1/33)
=5620g×(33-23)/(23×33)
=56200/759g=74.04…g。
2400/10g-2400/23g
=2400g×(1/10-1/23)
=2400g×(23-10)/(10×23)
=2400g×(13/230)=135.65…g。
590.303030…g作って、
420gを取り出し、残った食塩水
170.303030…gに、水
74.044795…gを足して、2.3%の食塩水
244.347826…gにした。
140gを取り出し、残った食塩水
104.347826…gに、水
135.652173…gを加え、1%の食塩水
240gにした。